お知らせ

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オホーツク食品開発研究フェア2006開催されましたセンターより

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今年度は130名が参加

平成18年2月27日(月)
会場:北見市民会館


平成18年2月27日(月)、北見市民会館において「オホーツク食品開発研究フェア2006」が開催されました。平成17年度のセンター業務・研究報告とあわせ、今年度センターが開発協力した商品化事例が関係者によって報告されました。

また今回は、農林業被害が深刻な問題となっているエゾシカの資源有効活用をテーマとしたミニフォーラムを開催し、野生エゾシカの生態捕獲~一時養鹿、さらに衛生的な食肉処理によって安全性の高いエゾシカ肉を安定供給するビジネス化の取り組みについて、東京農業大学の増子教授と阿寒エゾシカ研究会の曽我部会長にご講演頂き、合わせて当センター拔山研究員によるエゾシカ加工製品開発の事例報告が行なわれました。

フェア当日は網走管内の食品企業、行政、関連団体等の担当者、またエゾシカビジネスを検討している研究会等から合計130名と大変多くの参加を得ることができ盛会となりました。

 

ミニフォーラム「エゾシカ資源有効活用とビジネス化」

「北海道におけるエゾシカ養鹿の可能性」
東京農業大学教授 増子孝義氏

東京農業大学教授 増子孝義氏

野生エゾシカの生態捕獲~一時飼養により、エゾシカ肉の安定的な生産供給を目指す取り組みが道内でも実践されている。
特に飼養管理技術の確立が望まれる中、関係機関等との連携のもと、飼養条件による枝肉成績や増体などを調査した。

→ 講演要旨はこちら 【PDF】

 

シカ肉の普及を目指して ~エゾシカ肉メジャーへの道
阿寒エゾシカ研究会会長 曽我部元親氏

阿寒エゾシカ研究会会長
曽我部元親氏

一時養鹿の実践から、飼育鹿の屠殺解体~処理加工までを一貫して手がけ、道内外へのシカ肉普及に取り組んでいる。
北海道の新しい観光・食材の目玉になりつつあるエゾシカビジネスの最前線について紹介。

→ 講演要旨はこちら 【PDF】

 

 

エゾシカ加工製品の開発
当センター 研究員 拔山嘉友

当センター 研究員 拔山嘉友

野生獣であるエゾシカは肉質や衛生面など多くの課題があり、今後の利用拡大を目指すためにはエゾシカ肉の特性を踏まえた利用法の検討と品質の安定化技術の開発が必要である。

エゾシカ資源有効活用に向け、加工品の製品例を紹介し、北海道を代表する特産品をつくるための研究の方向性を示した。

→ 講演要旨はこちら 【PDF】

 

共同開発事例発表

農業生産から生活習慣病予防に挑戦 ~だったん・さらりん茶(抹茶風)の開発

スクリーンショット 2015-05-14 17.37.49(有)大地の香 代表取締役 奥山壽雄氏

オホーツクで品種改良されたダッタンソバ「北系1号」を自社農場で栽培し、収穫、加工、販売まで一貫したシステム作りを手がけた。ダッタンソバには通常のそばの50~100倍量のルチンが含まれており、これを無駄なく摂取するためには麺よりもお茶がよい。そこで、ダッタンソバ独特の苦みを抑え、飲みやすくするために独特の加工を施し、これまでのソバ茶では例のない抹茶風に仕上げた。また、自社がある遠軽町白滝での既存農家との連携の推進および人づくりとIT活用について紹介した。

 

 

 

ダッタンソバを用いた地域特産品の開発および商品化

スクリーンショット 2015-05-14 17.37.57雄武町商工会 副会長 橋詰啓史氏

平成15年よりスタートした雄武町特産品開発事業において、センター協力のもとダッタンソバと雄武町の海産物などを使った「海鮮茶漬け」「海鮮ふりかけ」「ダッタンソバコロッケ」を新しい雄武町の特産品ブランド「雄武の食卓」としてとして商品化を達成。
年度内の販売開始とともに味とパッケージ、品質等の改良も今後さらに進めていき、「雄武の食卓」ブランドの普及を目指す。

 

 

 

 

簡易な発酵機 「ビネガーファーメンター」の開発

スクリーンショット 2015-05-14 17.38.03(株)倉本鉄工所 代表取締役 倉本登氏(左)
当センター主任研究員 太田裕一(右)

北見市内の異業種交流会「KITAMIブランドの会」企業との連携の成果。
当センターで研究開発した食酢発酵技術を実用化するための発酵槽の開発を行う。
小規模生産・店舗・家庭等で容易に食酢を造れる装置であり,これ1台で仕込み・殺菌・発酵・火入れが可能。

 

 

技術指導による商品化事例紹介

「おさしみチーズ」(有)乳食研(興部町)
「おさしみチーズ」 (有)乳食研(興部町)

興部町内で生産された生乳を原料に、このほど同社の「ファーメントチーズ」を豆腐状に固形化した新商品「おさしみチーズが」販売開始となりました。
普通のチーズと異なり酸味や癖がなく、ミルクの旨味が濃縮されたまったく新しいチーズです。当センターではこの「おさしみチーズ」の企画から商品化までを協働し、特に固形化のための技術開発を行いました。

 

●業務用500グラム入り1,313円(送料別・税込価格)
●お問い合わせ先(有)乳食研
〒098-1604 紋別郡興部町春日町
(TEL)01588-2-2351

 

「ハナマスの菓子」 (株)清月(北見市) かみでファーム(興部町)
「ハナマスの菓子」 (株)清月(北見市) かみでファーム(興部町)

興部町上出ファームで栽培されたハマナスの実を使ったお菓子です。ハマナス果実のソースをやわらかいお餅の中に包み込み、酸味と甘みの調和を大切に仕上げました。他にはない独特の風味を堪能していただけます。
(株)清月では、ハマナスの果実や花びらを使った和・洋菓子の新しい味の開拓を目指しており、現在商品化に向けて開発を進めております。
当センターでは、ハマナス果実の原料下処理法の開発と、果実ソースの製法提供を行ないました。

●お問い合わせ先(株)清月(本店)
〒090-0041 北見市1条西1丁目
(TEL)0157-23-3590

手づくりアイス「乳花(るーふぁ)」是川牧場(雄武町)

aice雄武町の酪農家、是川牧場と大井牧場2戸の共同による、牧場手作りのアイスクリームです。原料は同牧場の生乳を使い、バニラ、いちご、コーヒー、ラムレーズンのほか、山いちごや山ぶどうなど季節のフレーバーを取り入れた商品を取り揃えています。
当センターでは、このアイスクリームのレシピ技術の開発とフレーバーの利用法について技術提供を行いました。

●6個セット 3,500円(送料込・税込価格)
●お問い合わせ先 是川牧場
〒098-1821 北海道紋別郡雄武町幌内
(専用TEL)080-5596-1607

 

しそ飲料 花紫集 朝市しそ部会(遠軽町)

siso平成14年から販売開始された「朝市しそ部会」のしそ飲料は、会員が栽培したしそをていねいに加工し、青しそを主体にした豊かな風味が特徴です。このほど品質の安定性を増し、新たに販売されました。
当センターではしそ飲料の製品保管中に生じる、沈殿物の生成防止と、製造ラインの簡素化に関する技術指導を行ないました。

 

●1リットル瓶入り 700円(税込価格)
●お問い合わせ先 朝市しそ部会代表 高良喜美子
〒099-0342 北海道紋別郡遠軽町瀬戸瀬(TEL)01584-4-2618

試験研究に関する口頭発表

オホーツク圏地域食品加工技術センター事業実績報告

スクリーンショット 2015-05-14 17.49.28~黒澤猛センター長

第11回目の成果発表を開催させて頂き、厚く御礼申し上げます。
近年、地域の資源を活用した食品加工に対する取り組みは益々高まり、地方によっては住民を巻込んだ活動になっております。その為にも当センターの果たす役割は大変重要であると認識しております。
さて、現在までオホーツク圏の試験研究・技術指導等で、企業現場での問題解決のために1,167件に及ぶ研究員の働きは、開設以来の「新商品」42品(判明した数)は、今後の経済効果に期待するところです。
今後、センターの果たすべき役割は、地域と密着した売れる商品作り(知事指針)と存在感を高めるセンターに邁進いたします。

 

発酵ソーセージ乾燥初期における汚染細菌の生育制御に関する研究

スクリーンショット 2015-05-14 17.49.35~太田貴美子研究員

本研究は、発酵ソーセージ乾燥初期において水分過多な発酵肉が腐敗する事例が多いことを踏まえ、大腸菌群や低温細菌などのグラム陰性菌の生育を確実に制御するための適切な条件の確立を目指し、乾燥初期の庫内温度が異なる2種類の発酵肉において汚染細菌の制御因子を究明した。この結果、一酸化窒素生成量が生育制御の直接的な因子であることが示唆された。また、生成量が最大に達する時期は、乾燥温度および乳酸菌スターターによって異なることも分かり、現在のところはL.sakeiを用いた20℃乾燥法が汚染細菌制御のための最適条件であると考察している。

 

ジャガイモ麹の開発について

スクリーンショット 2015-05-14 17.49.43~小林秀彰研究員

管内の主要農産物であるジャガイモから麹を作る方法および味噌など加工食品への利用について検討した。
その結果、ダイスカットしたジャガイモを乾燥させ、水分調整を行ったものを製麹することでジャガイモ麹を作ることが可能であった。
また、できあがった麹のプロテアーゼ活性は市販米麹の約5倍と高く、この麹で仕込んだ味噌は米味噌に比べてタンパク分解率が高く、旨味成分であるグルタミン酸量も多かった。

 

 

 

地場農産物を利用した食酢(酸性調味料)の開発について

スクリーンショット 2015-05-14 17.49.48~中村賀香研究員

圏域で生産される農産物の規格外品や廃棄物を単独あるいは複合化したものを用い、新たな加工用途の開発によって新規価値を作ることを目的とした。
今回は規格外農産物と醸造アルコールを主原料とした酢酸醗酵の実験を行い、北見の土地柄を生かした「地酢」の可能性を探った。その結果、流下培地の使用による種酢調整の簡略化と、酒造免許を必要としない醸造法の適用により、簡便な「地酢」製造の可能性が示唆されるとともに、圏域農産物の高付加価値化の一方策としての可能性が見出された。

 

 

水産食品の新しい調味方法の開発

スクリーンショット 2015-05-14 17.49.55~太田裕一主任研究員

前浜で揚がる水産資源や加工残滓等の低品位部分を蒸し上げた後に風乾等で旨味を濃縮してから、米飯・水を加えて3種類の酵素で分解を行う。この時、耐熱袋に封入して55℃の乾燥機内やボイラーの還流水に曝して3~5日で濃厚なアミノ酸液を得る。
その後、紋別近辺から新規に分離したGABA生産性の植物由来乳酸菌を接種・培養して高GABAアミノ酸液を調製した後、調味原料・ハーブを加えて漬け込み用タレを得た。乳酸発酵の効果で矯臭効果が強く発現した。

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